SAS(スマート アド セールス)とは?CM枠を1本から購入できる方式を解説
SAS(スマート アド セールス)は、テレビCMの手法の一つで、従来のタイムCMやスポットCMに続く「第三のテレビCM」ともいわれています。SASの特徴は、低コストでテレビCMを放映でき、かつターゲットの設定や効果測定もできるということ。
ここでは、SASのメリット・デメリットや購入方法について解説していきます。
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目次
SAS(スマート アド セールス)はCMを1本単位で購入できる
SAS(スマート アド セールス/Smart Ad Sales)とは、15秒CMを1本単位で購入できるテレビCM商品のことで、2020年2月からスタートしました。
テレビCMには、タイムCMとスポットCMの2つのタイプがあります。タイムCMは、放送番組を指定できるので、ターゲットに合わせたCMを放送することができます。ただし、契約が原則半年以上で、広告費が高額となるという点がデメリットです。
スポットCMは、放送する曜日や時間帯を設定して、予算に応じて放送することが可能です。最小単位は15秒で購入できる手軽さが魅力ですが、曜日や時間帯を指定するだけで、どの番組に放送されるかは確約できません。視聴者層とターゲットとで、ミスマッチが起こる可能性があります。
SASは、これらのいずれとも異なるタイプのCMです。1回だけの放送であっても、番組が指定できるのが特徴になります。また、これまでスポットCMでは、どの枠が購入できるのか不明瞭でしたが、SASの登場によってオープンなものになり、効果測定もしやすくなりました。
SAS(スマート アド セールス)のメリット
SASを活用するメリットはいくつかありますので、それぞれ解説していきましょう。
コストが安い
SASは、1回だけの放送であってもCMを流せるため、コストが安いCM手法といえます。SASは、放送局・時間帯によって金額は異なりますが、15秒1本あたりの最低単価が数万円のケースもあるため、リーズナブルで利用しやすいことがわかるでしょう。
放映日時、番組、本数を指定できる
SASは、放映日時、番組、本数を指定できます。狙いたいターゲットに合わせて、予算に合わせて、CM内容を調整しやすい手法なのです。
さらに、SASには局をまたいで最適なプランを選びやすいという特徴があります。これまでCMを出稿するには、2つの考え方がありました。1つは最初に、自社や自社商品のイメージや予算など条件に合うテレビ局を選んでから、時間帯を選ぶというもの。もう1つは、ターゲット層に合致した時間帯を先に選んで、その後に出稿するテレビ局を選択するというものです。それがSASの登場によって、局をまたいで、最適なプランを選ぶことができるようになりました。SASが「バイイング手法」と呼ばれるゆえんです。
他メディアと連携しやすい
従来のCM手法だと、CMが放送開始される10~14日前に、どの枠で放送されるか、局の決定が行われていました。しかし、SASの場合、約2ヵ月前から枠を購入することができます。
そのため、CMの放送に合わせて、デジタルでキャンペーン情報のさらなる拡散を狙うなど、ほかの施策と連携しやすくなるでしょう。
分析しやすい
SASでは、「枠ファインダ」というツールを用いて、視聴関連データを元に広告枠の検索と分析が可能です。それによって、従来よりも細かくターゲット設定をした上で、「ターゲット含有率」などを把握することができるようになりました。
SAS(スマート アド セールス)のデメリット
その一方で、SASにもデメリットがあります。どんな点に気をつけるべきか、説明していきましょう。
実施しているのは放送局の一部
すべてのテレビ局が取り扱っているわけではなく、SASは一部のテレビ局の取り組みになります。そのため希望のテレビ局が対応できないということがありえます。
SASで購入できる放送局は、下記になります(2021年8月現在)。
- 関東エリア:日本テレビ、TBSテレビ、フジテレビ、テレビ東京、テレビ朝日
- 関西エリア:読売テレビ(日本テレビ系列)、MBS(TBSテレビ系列)、ABC(テレビ朝日系列)、テレビ大阪(テレビ東京系列)
今後、SASを取り扱うテレビ局は増えていく可能性がありますので、最新の情報を追っていきましょう。
CM枠の空き状況次第
SASでは、放送したい番組がすべて選べるわけではありません。CM枠の空き状況から選んで申し込むことになるので、場合によっては、思ったようなCM出稿ができないこともあります。
また、番組を指定して放送枠を購入した場合も、特別編成など放送される番組が変更となるケースがあります。その際は、調整が必要になってくることは、認識しておきましょう。
キャンセル料がかかる
SASでは、放送時間を事前に予約できる分、キャンセルの場合は費用が発生します。通常は、オンエアの27日前から21日前は25%、20日前から14日前は50%のキャンセル料がかかり、13日前になるとキャンセルは不可となります。キャンセル料については、申し込み時に必ず確認してください。
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SASがおすすめなケース
SASを活用におすすめのケースを紹介します。
CMのお試しをしたい
「これまでチャレンジしてこなかったテレビCMを、今後積極的に放送していきたい」「どんな流れでCMを制作、放送するのか手順や方法を知りたい」という場合にSASはおすすめです。
SASの制作や放送は、CM用映像制作し、素材を搬入、放映と進み、通常のCMとあまり変わりません。まずはCMの作り方、簡単な反響を知りたいというときにSASで出稿してみるというのもいいでしょう。
短期集中の広告を出したい
通常、スポットCM枠を購入すると約2週間ほどそのCMが流れます。「その日1日だけ、数本流したい」というような特殊なケースの場合もSASはおすすめです。割高にはなりますが、セールやイベントのお知らせなど有効に働くこともあるでしょう。
CM放送の実績を作りたい
「テレビCMを放送した」という実績が欲しいという場合にも、SASはおすすめです。テレビCMというのは誰もが出せるものではなく、考査という業態やCM内容の審査を通過したもののみ放送が許されます。
考査に通過して無事テレビCMを放送できれば、店頭や自社サイトなどでも「テレビCMを放送しました」という記載を載せることができ、ブランド力を高めることができるでしょう。
SAS(スマート アド セールス)を申し込む流れ
実際にSASを申し込むには、どのようにすればいいのでしょうか。SASを申し込む流れについて、4つのステップに分けて解説します。
STEP1 受付
該当月の2ヵ月前くらいに「販売価格セールス状況表」が公開されて、SASの受付がスタートします。セールス期間は、公開日から、およそ1ヵ月とされています。
どのような目的でCM出稿するのか整理した上で、広告代理店を通して、SASの枠を確認しながら、内容を詰めていきます。あるいはテレビ各局で、SASの詳細ページが用意されている場合がありますので、直接確認することも可能です。
STEP2 契約
広告代理店を通して、SASの購入枠を決めて申し込みとなります。契約締結となるとキャンセル料が発生しますので、注意してください。
STEP3 CM放送
契約が成立次第、枠取り作業が行われて、CM制作に移っていくことになります。キャンペーンの告知など、CMを放送する希望日時が決まっている場合は、逆算しながら、いつまでにCMを撮り終えていなければならないのか、制作会社と綿密な打ち合わせを行いましょう。
SAS(スマート アド セールス)の可能性は広がる
事前に放送枠が確定するSASならば、デジタルとの併用による事前プロモーションも可能で、今の時代に合致したプロモーション方法といえます。予定したCM量を確実に流せるSASは使い方次第で、高いポテンシャルを秘めています。
なお、ナイルでは大手広告代理店と提携し、テレビCM支援を行っています。効果が出ないCMを出稿し続けることがないように、ナイルが広告代理店との交渉をお手伝いさせていただきます。ぜひお気軽にご相談ください。
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