テレビCMの作り方は?手順と注意すべきポイントを解説
テレビCMは多くの人の手によって、いくつもの段階を経て制作されていきます。テレビCMを出稿するのであれば、その作り方について、あらかじめ把握しておくことが大切です。
ここでは、CMの作り方について、その手順と注意すべきポイントを解説します。
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目次
テレビCMを作るための7つのステップ
テレビCMを制作するには、さまざまな工程があります。テレビCMの作り方について、7つのステップに分けて、解説していきます。
STEP1:企画を決める
目的を決める段階では、「ターゲットを決める」「予算を決める」「広告代理店、制作会社を決める」といったフローがあります。
ターゲットを決める
テレビCMの制作は、ターゲットを明確にするところから始まります。
まず商品のコンセプトから、誰に何を訴求するのかを設定しましょう。自社の商品やサービスを誰に向けてPRするかによって、CMの内容や見せ方、CMを放映する時間帯がまったく異なるため、十分検討してから、ターゲットを決めることが重要になります。
予算を決める
ターゲットを決めたら、次は予算です。
テレビCMは放送局、放送時間帯、タイムCMやスポットCMといったCMの形態などによって放映料が大きく異なります。予算に応じて、放映の仕方や広告代理店、制作会社を決めていくことになります。
広告代理店、制作会社を決める
広告代理店や制作会社と連携しながら、ターゲット層に対してどのようなメリットがあるのかを絞り込み、それをCM企画として落とし込んでいきます。
強調したいポイント、全体のイメージ、画像や映像の見せ方、おおよそのストーリーなど、CMの軸になる部分を詰めていきましょう。テレビCMの企画の段階で、ロケーションや演者の候補が決まっていきます。
企画を練る段階で、競合他社のCMをよく分析して差別化を図るように努めましょう。後発で同業他社とあまり変わらないCMを流すと、似たような商品だと思われたり、競合の商品と間違われたりする恐れがあるからです。
STEP2:シナリオや絵コンテを作る
テレビCMの企画が決まったら、制作会社にシナリオや絵コンテの制作に入ってもらいます。
絵コンテは、シナリオに合わせて絵をつけたもので、映像の骨格です。制作会社によっては、ラフな映像をつないだビデオコンテを作るところもあり、仕上がりの映像をイメージしやすいという利点があります。
STEP3:撮影する
絵コンテに沿って、撮影を行っていきます。
撮影には、演者だけではなく、カメラ、照明、録音、衣装・メイク、小道具、大道具といった役割が必要です。また、車両や宿泊施設、食事の手配など、現場業務を担当するスタッフがいないと、撮影がスムーズに進行しません。
テレビCMでは、実にさまざまなスタッフが仕事をこなしながら、撮影が進められるのです。スタジオや屋内ロケの場合はおおよそ1日で撮り終わりますが、地方ロケや海外ロケの場合は、数日から1週間以上かかることもあります。
STEP4:編集する
編集作業は、「オフライン編集(仮編集)」と「オンライン編集(本編集)」に分けられます。
オフライン編集はざっくりとした粗い編集で、オンライン編集は仕上げの作業です。
オフライン編集でCM全体の流れができあがったら、試写を行って、必要であれば修正を加えて、オンライン編集に進みます。オンライン編集では、色味や光の具合、質感などの調整も行われます。
STEP5:MA編集を行う
演者のセリフのほか、BGM、SE(効果音)、ナレーションなど、音の要素を制作・編集するMA編集を行います。
MAとは「マルチオーディオ(Multi Audio)」の略です。MA編集では、音を重ねて加工したり、ノイズ音を取り除いたりする作業を進めていきます。
STEP6:映像を納品する
テレビ局に完成したCM映像を納品します。
テレビ局では、考査を受けることになります。これはCMの内容が放送倫理基本綱領に抵触せず、放送しても問題がないか、テレビ局側がチェックするプロセスです。考査が通ったら、テレビ局と企業との契約内容に合わせて、CMが放送されます。
考査には、業態考査と表現考査の2種類があります。業態考査は、「企業がきちんとした企業であるかどうか」を調べること。表現考査は、「CMの内容が視聴者に誤解を与える表現になっていないかどうか」を調べること。
なお、絵コンテの段階でもテレビ局に表現考査を依頼することが可能です。絵コンテの段階で修正が必要な文言や表現などが発見されれば、制作をよりスムーズに行うことができるでしょう。出来上がった映像を再度、表現考査にかける段階でも安心して提出することができます。
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CM制作・放映にかかる費用とは?
CMを制作し、放映するにはどれくらいの費用がかかるのでしょうか。
ここからは、CM制作・放映にかかる大まかな費用の内訳について確認していきましょう。
CM制作費
CMの企画から撮影、編集にかかる費用はかなり幅が広く、15万〜70万円が相場とされています。
もちろん有名人を起用したり、ロケを海外で行うなど大がかりな撮影をするなら、さらに費用がかかることはいうまでもありません。また、広告代理店や制作会社に払う料金も会社によってさまざまです。
制作費を抑えるには、一般の人や自社スタッフに出演してもらったり、アニメーションや静止画で構成したりといった手法が考えられます。
CM放映料
CM 放映料は「いつ」「どこで」「どのように」放映するかで変動します。
「いつ」「どこで」については、放送局と視聴率が関係します。在京キー局の番組は多くの視聴者が見ているので放映料は高くなり、準キー局、ローカル局では放映料が安くなっていきます。
15秒間のCMの場合、放映料は在京キー局で75〜100万円、関西の準キー局は在京キー局の4分の1から3分の1程度。ローカル局なら、関東で2.5〜4万円、関西で1.2〜3.5万円とされています。
また、スポットCMとタイムCMという形態の違いでも放映料は変動します。スポットCMとは、指定した時間帯にランダムで放映してもらう形式です。タイムCMは、指定した番組のスポンサーとして費用を提供し、番組のCM枠で放映してもらう形式です。
スポットCMの放映料は、放送局と視聴率に応じて決まりますが、タイムCMは他のスポンサーの放映料がいくらなのかが影響します。
CMの効果測定
CM放映料にいくらまで出すことができるかを考える上で、費用対効果を加味することは重要です。
しかし、テレビCMの場合、商品を購入した人がCMを見て決めたかどうかを調べることができないので、費用対効果を正確に把握するのは難しいことです。
テレビCMの費用対効果は、「延べ視聴率」を意味するGRP(Gross Rating Point)という指標で測るのが一般的です。GRPは「CMを放映した番組の平均視聴率×放映したCMの本数」で計算した数値で、CMがどれくらいの人の目にふれたかを大まかに測るものです。
GRPが高いほど、多くの人が視聴したと考えられるので、費用対効果も高いということになります。
CMを作る際の注意点は?
テレビCMの出稿では、広告代理店や制作会社に依頼することになります。その際に注意が必要な点について、まとめておきます。
CMのルールを理解しておく
CM映像の納品にあたって、制作物にはいくつかのレギュレーションがあります。
CM本編の開始時と終了時に、各3秒程度の捨てカット(実際には流れない映像)を入れ、捨てカットの前にクレジットを12秒間入れなければなりません。また、CM本編の開始時と終了時の各0.5秒は無音にしなければなりません。したがって、15秒間のCMなら、音声を入れられるのは14秒になります。
CMは、15秒CMと30秒CMに大別されます。15〜30秒の短い時間で、商品のアピールをしなければならないことを考えると、規定された1秒の無音時間は決して短いものとはいえません。
1秒も無駄にすることなく商品の魅力をCMでアピールするために、企画段階からCMのレギュレーションをある程度は理解し、自社商品を広く伝えるべき魅力を徹底的に洗い出しておくことが肝要です。
依頼先の実績を確認しておく
テレビCMの制作を一緒に進めていく広告代理店や制作会社を選ぶ際、その実績をしっかり確認しておくようにしましょう。
まずは、テレビCMの制作実績が豊富な会社ならば安心感があります。その上で、実績を見ながら、自社で考えているテレビCMのイメージに近いかどうかも、選択の条件として入れておきましょう。所属するスタッフの職種、人数、自社スタジオの有無なども、確認しておきたいポイントです。
広告代理店を活用する
テレビCMの制作では、広告代理店を活用するようにしてください。テレビCMの企画立案から放映までは、多くの人々が関わることになり、全体の進行管理は欠かせません。また、テレビ局での考査をはじめ、専門的な知識が必要になる場面が多々あります。これらのことを考えると、広告代理店を頼って、テレビCMの制作を進めるのが得策です。
信頼できるパートナーとともに成果の出るCMを
テレビCMは、内容次第で、その効果は大きく変わります。
テレビCMについての基礎知識を身につけながら、信頼できる広告代理店や制作会社といったパートナーとともに、成果に結びつくCM作りに取り組みましょう。
ナイルではCM制作前に一読いただきたい、テレビCMを成功させるためのポイント5選と題した無料の資料もご用意しております。
- ポイント1.商品の便益
- ポイント2.GRPの単価
- ポイント3.線引き
- ポイント4.クリエイティブ
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