フリークエンシーとは?リーチとの違いや計算方法、回数の目安を解説
フリークエンシーという言葉について、聞いたことはあっても正確な意味はわからないという人は多いのではないでしょうか?
この記事では、ウェブ広告やテレビCMにおいてのフリークエンシーの意味や、フリークエンシーとリーチとの違い、設定する際のポイントをご紹介します。
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目次
フリークエンシーの意味とは
フリークエンシーとは、基本的に「ユーザーが広告に触れた回数や頻度」のことを指します。しかし、多彩な広告方法がある現在、一口に「フリークエンシー」と言っても、媒体ごとにその算出方法は異なります。ここでは、ウェブ広告とテレビCMを例に、それぞれの違いを見ていきましょう。
ウェブ広告のフリークエンシーとその計算方法
ウェブ広告でのフリークエンシーは、「1人のユーザーが特定の広告に接触した回数や頻度」のことを意味します。ウェブサイトやSNSを閲覧していると、同じ広告が複数回出てくることがあるでしょう。一定期間に同じ広告が同じユーザーに表示される回数をカウントしたものが、フリークエンシーです。
ウェブ広告では、フリークエンシーを次のように算出します。
ウェブ広告におけるインプレッション数とは、広告がユーザーの画面に表示された回数のことです。媒体によって「広告の表示」の定義が違い、ある媒体では「広告全体が表示されて1インプレッション」と数えるケースがあれば、別のある媒体では「広告の一部が表示されて1インプレッション」と数えるケースもあります。
ユニークユーザー数(UU)は、特定期間内に広告を見たユーザーの数を表します。例えばあるユーザーが1週間で5回同じ広告を見た場合、ユニークユーザー数は5ではなく1です。
テレビCMのフリークエンシーとその計算方法
テレビCMのフリークエンシーは、「1人の視聴者が特定のCMに接触した回数」を指します。
テレビCMのフリークエンシーを計測するための指標として用いられるのが、「GRP(Gross Rating Point/延べ視聴率)」です。GRPは、次のように計算されます。
このGRPを、リーチと呼ばれる広告に接触したユーザー数で割ることで、「1人の視聴者が特定のCMに接触した回数の平均値」を求めることができます。
概算ではありますが、フリークエンシーによって、同じ視聴者が1つのCMに何回接触したかの目安を知ることができるのです。
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フリークエンシーとリーチは何が違う?
フリークエンシーと並んで使われる言葉に「リーチ」があります。リーチは、「広告に接触したユーザー数」のことを指します。
フリークエンシーは「1つの広告が1人のユーザーにどれくらい届いたか」がわかるのに対し、リーチは「1つの広告がどれくらいの人に届いたか」が把握できます。フリークエンシーは「広告を見た回数」、リーチは「広告を見た人数」と考えると、理解しやすくなるでしょう。
横項目 | 計測する対象 | 把握できること |
---|---|---|
フリークエンシー | ユーザーが広告に接触した回数や頻度 | どれくらい深く届いているか |
リーチ | 広告に接触したユーザー数 | どれくらい広く届いているか |
フリークエンシーの最適回数の目安
フリークエンシーは、広告の効果を最大化するために欠かせない指標です。フリークエンシーが多すぎるとユーザーに悪い印象を与える可能性があり、逆に少なすぎると広告に気づいてもらえません。そのため、フリークエンシーは最適な回数に制限する必要があります。
では、フリークエンシーの最適な回数はどれくらいなのか?下記のポイントで最適回数の目安を紹介します。
フリークエンシーの最適回数の考え方
- フリークエンシーの最適回数はケースバイケース
- 最適なフリークエンシー回数はテストして探ることが重要
- 目標CPAを軸にしたフリークエンシーの最適回数の求め方
フリークエンシーの最適回数はケースバイケース
フリークエンシーの最適回数は広告や商材によってさまざまです。回数が多すぎると広告の効果が出ないどころか、悪い印象を与えかねません。例えば、YouTubeで何度も同じ広告を見たユーザーが、不快感を覚えてしまうという具合です。
一方で、フリークエンシーが少なすぎると、広告による認知度アップにつながりにくくなります。ウェブ広告で1回だけバナー広告が表示されても、スルーされてしまい、広告の内容が記憶に残りにくいためです。
「何回見たら印象が悪くなり、何回見たら認知するか」は、広告によって変わります。広告の種類によっては何度見ても悪い印象を与えませんし、一度見ただけで認知してもらえることもあります。
このようにフリークエンシーの最適な回数は決まっているものではなく、実際の利用状況や広告の内容によって調整しなければなりません。
最適なフリークエンシー回数はテストして探ることが重要
フリークエンシーの最適な回数を見つける方法として、広告のテスト運用が挙げられます。
例えば、ある広告では10回が最適という結果が出ても、別の広告では100回以上が最適という結果が出る場合もあります。フリークエンシーの適正な回数が絶対的な値で決まるものではないためです。
したがって、初めて広告を運用する際は、フリークエンシーキャップ(広告の表示回数の制限)を設定せずにスタートし、最適解数を探ることをおすすめします。そして一定期間広告を運用して得られたデータを基に、レポートを確認し最適なフリークエンシー回数を設定しましょう。
その際に重要視すべきポイントは、「目標CPA(Cost Per Action)」や「CV数」などです。これらのデータを元に適切なフリークエンシーを設定することで、広告効果を最大化できます。
次章では、この「目標CPA」を軸にしたフリークエンシー数の考え方を解説します。
目標CPAを軸にしたフリークエンシーの最適回数の求め方
今回は、目標CPAを軸に、フリークエンシーの最適回数を求める方法を紹介します。
まずは、使っている媒体に応じて、フリークエンシーの回数を確認しましょう。例えばGoogle広告を使っている場合、キャンペーン一覧のページにて「表示項目」→「表示項目を変更」の順にクリックし、均表示頻度と平均表示頻度、頻度の分布の指標を追加して確認できます。
ここでは、目標CPAを1,500円と定めた場合のフリークエンシー最適回数を考えてみましょう。目標CPAとは、広告主が目指すCV1件あたりにかかった広告費用の投資対効果です。
上記画像で「CPA」を見てみると、フリークエンシー数が目標CPAを下回るのは、1〜10、11〜20、21〜30、71〜80です。
このケースでは、フリークエンシー数を1〜30に制限することで、目標CPAを超えずに、効果的な広告配信ができると判断できます。
このように、目標CPAを軸にフリークエンシー数を見ることで、最適回数の目安がわかります。
フリークエンシーを設定する際に知っておきたいポイント
ここからは、フリークエンシーを設定するにあたって知っておきたいポイントをご紹介します。ウェブ広告で「新商品や新サービスの認知を広げたい」と考える場合は、フリークエンシーを多めに設定することをおすすめします。人は、広告が1回表示されただけでは、なかなか商品のことを覚えられません。認知してもらうためには、複数回同じ広告を見てもらう必要があるのです。
具体的な数値は、広告配信後のCV(商品購入や会員登録など、成果の指標となる数字)やCPA数値(CV1件あたりのコスト)を元に、都度テストをしながら調整していきましょう。
また、テレビCMでのフリークエンシーの設定では、出稿数はターゲットがテレビを見ている時間帯を定め、ピンポイントでフリークエンシーが高くなるように設定するのが基本です。
もしウェブ広告配信の目的やターゲットユーザーが明確でないなら、まずは情報を整理してマーケティングの戦略を立てましょう。
以下の資料で戦略の立て方を解説しているので本記事と併せてご覧ください。
フリークエンシーキャップを利用して数値の高騰を抑えよう
フリークエンシーを考えるにあたって知っておきたいのが、「フリークエンシーキャップ」です。フリークエンシーキャップとは、1ユーザーへの広告表示回数に制限をかける機能のことです。
例えば、キャンペーンを打つ際、「ユーザーに広告が表示される回数は1週間で10回まで」と設定します。そうすると、1週間に満たなくとも、10回広告が表示された時点でユーザーにはもうその広告は表示されなくなるのです。
この機能を使うことで、過剰な広告表示を防ぎ、ユーザーに対して適切なフリークエンシーを保つことができます。また、必要以上に広告を表示する必要がなくなるため、コスト削減にもつながります。
フリークエンシーキャップの種類
フリークエンシーキャップにはいくつか種類があります。
代表的な以下の3つを押さえておきましょう。
- 回数の制限…1ユーザーに対して◯回まで表示する
- 期間の制限…1ユーザーに対して1日/1週間/1ヵ月ヶ月に◯回表示する
- 階層の制限…広告出稿先によって異なる
階層の制限については、代表的な検索エンジンであるYahoo!とGoogleを例に、フリークエンシーキャップの設定方法を説明します。
Yahoo!の階層制限
Yahoo!の場合は、「キャンペーン」「広告グループ」「広告」の各単位下で表示されるように設定できます。
例えば、「キャンペーン」で設定すると、キャンペーンの階下にある広告はすべてカウントされます。つまり、「広告1」「広告2」のようにそれぞれ別の広告であっても同じキャンペーンに属している場合には、表示カウントが進むのです。
一方、キャンペーンを選択せず、「広告グループ」で設定すると、その広告グループの階下にある広告がフリークエンシーキャップの対象になります。「広告グループA」「広告グループB」と複数の広告グループがあった場合、トータルではなく、A・Bそれぞれでカウントされるということです。
Googleの階層制限
Googleの場合は、期間と回数のラベルをつけることで、対象や頻度の設定を行うことができます。
ここで気を付けたいのが、複数のラベルがついていた場合「もっとも制限の厳しいラベルが適用される」という点です。例えば、「1日1回表示」と「1週間で10回表示」という制限が同じ広告に設定されていた場合、期間の制限が厳しい前者が適用されるようになります。
各媒体におけるフリークエンシーの確認方法
フリークエンシーの確認方法を媒体別に紹介します。
各媒体におけるフリークエンシーの確認方法
媒体別に最適な回数が異なるケースもあるため、それぞれの確認方法を把握し、適切なフリークエンシー回数を設定しましょう。
Google広告の確認方法
Google広告のフリークエンシーは、ディスプレイや動画キャンペーンでの広告キャンペーンの場合に確認できます。
フリークエンシーを確認する場合は、キャンペーン一覧のページにて「表示項目」→「表示項目を変更」の順にクリックし、下記の指標を追加しましょう。
Google広告におけるフリークエンシーの指標
- 平均表示頻度(ユーザーあたり)
- 平均表示頻度(ユーザーあたり 7 日間)
- 平均表示頻度(ユーザーあたり 30 日間)
- 頻度の分布(1+、2+、3+、4+、5+、10+)
フリークエンシーキャップは、下記の手順で設定できます。
- キャンペーンページで「設定」を選び、設定するキャンペーンを選択する
- 「その他の設定」を選ぶ
- 「フリークエンシー管理」を選び、頻度を選択する
- 「保存」を選ぶ
これらの手順を踏むことで、フリークエンシーキャップの設定が完了します。
Yahoo!広告の確認方法
Yahoo!広告のフリークエンシーを確認する場合は、リーチレポートを利用します。
広告管理画面右上の「レポート」をクリックし「レポート・テンプレート作成」をクリックします。すると「プリセットを読み込む」画面が表示されるので「リーチレポート」を選択しましょう。その後、計測する指標として「リーチ数」と「平均接触回数」を追加することで、フリークエンシーの回数を確認できます。
フリークエンシーキャップの設定方法は、下記のとおりです。
- 管理画面で、設定したいキャンペーンを選ぶ
- 「キャンペーン設定情報」の画面を選ぶ
- 画面下部にある「編集」を選ぶ
- フリークエンシーキャップのオプション設定から「設定する」を選ぶ
- 設定画面に移動し「期間」「回数」「階層」を設定する
- 「編集内容を保存」を選ぶ
Yahoo!広告では、「期間」「回数」「階層」を設定できます。例えば、「1日50回までキャンペーン単位でフリークエンシー数を制限する」という具合です。
Facebook・Instagram広告の確認方法
Facebook・Instagram広告でも、フリークエンシーを確認できます。
- 広告マネージャーを開く
- 「列」ボタンをクリックし、表示されたメニューから「列をカスタマイズ」を選ぶ
- 「パフォーマンス」のなかから「フリークエンシー」にチェックを入れる
- 保存を選ぶ
こうすることで、キャンペーンの一覧ページに「フリークエンシー」の列が追加され、広告ごとのフリークエンシー数を把握できます。
フリークエンシーキャップを設定する場合は、新たにキャンペーンを作成しましょう。その際、詳細を設定する画面の下部「オプションを表示」をクリックすると、日数と件数を設定できます。
最適なフリークエンシーを把握しよう
最適なフリークエンシーがわかっていると、商品やサービスを効率よく宣伝することができます。自社広告にとって適切な数値を導き出し、効率のいい広告戦略を立てていきましょう。
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