CM考査とは?テレビCMを放送するための審査について解説
すべてのテレビCMは、テレビ局による「CM考査」を通過しなければ、テレビで放送することができません。通過するためには関連する法令のほか、テレビ局の独自基準まで、さまざまな確認を事前に行う必要があります。
ここでは、CM考査の内容や提出資料、避けるべき表現方法について詳しく解説します。
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目次
テレビCMを放送するにはCM考査を避けては通れない
公共の電波を使って流すテレビCMの影響力は大きいものです。視聴者に誤解を与えるようなCMを放送しないためにも、「CM考査」を必ず受けなければなりません。
CM考査とは、テレビCMを配信する広告主の業態やサービス内容、そのCM内の表現が、放送基準などに抵触していないかどうかを確認する作業のことです。放送基準は、一般社団法人 日本民間放送連盟によって定められているほか、テレビ局独自の基準が適用されている場合もあります。
例えば、企業の業種や宣伝する商品・サービスの種類が各種法令に抵触するか、テレビCMで禁止されている表現を用いているかなどを徹底的に確認します。
なお、考査を行うのは各テレビ局にある考査部、またはテレビ局が依頼した第三者機関です。結果が出るまでに2ヵ月以上かかる場合もあるので、スケジュールや提出資料の準備には注意しましょう。
大変ではあるものの、厳格な基準をクリアしたテレビCMを放送すれば、自社製品やサービスに高い信用度を付与できるでしょう。
CM考査は業態審査とCM表現考査に分かれる
CM考査は、大きくは「業態審査」と「CM表現考査」の2つに分かれており、提出する情報や資料、考査の基準が一部異なります。
業態審査は、はじめにCM枠を交渉する際に行われます。主に広告主の業種や事業内容などについて審査と協議が行われたのち、受け入れるか否かを判断します。一方、CM表現考査は、主にCMの内容と表現に関する考査で、2回に分けて行う場合があります。
CM考査の基準と提出資料
ここからは、CM考査の詳しい基準や提出資料について、業態審査とCM表現考査に分けて、それぞれ詳しく解説していきます。
業態審査では放送基準に基づき業種や商法を確認
業態審査(業態考査)は、主に広告主の業種や事業内容に関する審査です。業種や商品・サービスによって放送内容が限定されたり、認められない場合があったりするため、広告主自体に事前のチェックが必要となります。テレビ局などが発行するレギュレーションを確認すれば事前に判断できるので、放送基準を確認するか、テレビCMに詳しい広告代理店へ一度相談してみるといいでしょう。
なお、審査にかかる期間は、テレビ局によってさまざまです。1~2週間としている局もあれば、キー局(日本テレビ・テレビ朝日・TBS・フジテレビ・テレビ東京)では1~2ヵ月かかることもあります。
業態審査で提出する情報や資料
業態審査では、テレビ局や第三者機関が自社の業種や商品・サービスがを確認できるよう、下記の資料を準備しておきましょう。
ただし、すべてが必ず求められるわけではありません。放送したいテレビ局や広告主の業態によっても異なります。キャンペーンを行う場合はその詳細がわかる資料を求められるなど、CMの内容によって追加で提出資料が必要となる場合もあります。
また、CM制作は企業とテレビ局を仲介する広告代理店に依頼するケースが一般的です。その場合、CM内容に関わる資料などは、広告代理店が用意すると考えていいでしょう。
CM表現考査では法令や各局の自主基準を確認
業態審査を通過してCM枠を押さえたら、いよいよCM制作を行い、今度は「CM表現考査」をテレビ局へ依頼します。この考査では主にCM内の表現をチェックされます。
CM表現考査は段階的に行われることが多く、素材収集や撮影を行って仮編集した段階で一度考査を受け、本編集を行なった完成形(完パケ)で再度考査を受けます。テレビCMは繰り返し放送される性質上、視聴者に大きな影響を与えうる広告です。そのため、広告主には真実を伝えること、CMの内容が視聴者にとって役立つものであることが求められます。
また、たとえ業態審査を通過していても、CM表現考査で受理されなければ放送することはできません。仮に、制作中のテレビCMに視聴者の誤解を招く表現などが含まれていれば、そのCMは「テレビで放送する基準を満たさない」と判断されてしまいます。
内容や表現・演出を変更する「改稿」を求められることもあります。この改稿が充分でないと、受理されるまで何度もCMを修正しなければなりません。そのため、テレビCMの制作を広告代理店に依頼する場合には、CM考査をクリアした実績と知見を確認しましょう。
CM表現考査で提出する情報や資料
CM表現考査では、実際のCMの映像やナレーションなどの素材のほか、CM表現の根拠となる資料の提出を求められます。テレビCMの制作を広告代理店へ依頼している場合は、CM素材は広告代理店、根拠資料は広告主が用意することになります。
根拠資料とは、商品・サービスに関する詳細な資料です。CM内の表現や伝える内容によって、商品・サービスの調査分析の結果やキャンペーンの詳細な内容、価格表などを求められることがあります。また、CM素材とはCMの絵コンテ、原稿、動画データそのものを指します。
1回目のCM表現考査では仮編集したCM素材、2回目は本編集を行い、動画に音を入れたり、全体の音量を整えるなどして完成した段階(完パケ)で、あらためて依頼します。新規の撮影などの必要がなく、すでに完パケしている動画データがある場合などは、2回目の考査のみで済むこともあります。ただし、いずれにしても考査には時間がかかるため、放送までのスケジュールに余裕をもたせておくと安心です。
禁止されているCM表現方法と基準になる法令
テレビCMの内容や表現が、放送基準や各種法令、公正競争規約、業界の自主基準に抵触していないかどうかも事前に確認しておきましょう。下記に、禁止されている表現方法や法令などをまとめているので、参考にしてみてください。
上記のとおり、テレビCMでは虚偽・誇張した表現や、視聴者に誤った情報を伝える可能性のある表現手法は受け入れられません。また、暗に他社製品やサービスなどを誹謗・中傷する表現は、あとから訴えられる恐れすらあります。
上記は一例です。これらすべてを自社で調べ尽くすには、人手も時間もかかります。負担を軽減するには、広告代理店やテレビCMに知見があるPR会社、マーケティング会社、コンサルタントなどに準備段階から依頼や相談をするのがいいでしょう。
CM考査は企業イメージを毀損するリスクの回避につながる
テレビCMの放送を考えている方にとって、CM考査は避けては通れないものです。厳しい審査ではあるものの、公序良俗に反する放送によって企業イメージを毀損するリスクを回避でき、「より信用度の高いCM」を多くの視聴者に届けられます。本記事をCM考査を受ける前の参考にしてみてください。
なお、ナイルでは大手広告代理店と提携し、テレビCM支援を行っています。効果が出ないCMを出稿し続けることがないように、ナイルが広告代理店との交渉をお手伝いさせていただきます。ぜひお気軽にご相談ください。
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