営業におけるリードタイムとは?管理・短縮するメリットと方法を解説
「リードタイム」は、製造業や物流、営業など、業界や文脈によっても意味が異なる言葉です。
この記事では、「営業」におけるリードタイムの意味や重要性について解説します。リードタイムを管理・短縮する4つのメリット、また管理・短縮するための具体的な3つの方法も紹介していますのでぜひ参考にしてください。
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目次
営業におけるリードタイムとは
営業におけるリードタイムとは、「リード獲得から受注に至るまでの期間」のことです。一般的にリードタイムの意味は、「発注から納品までに必要な時間」をいいます。これを営業の業務に置き換えれば、「リード獲得(営業にとっての発注)から受注(営業にとっての納品)に至るまでの期間」となるわけです。
リードタイムはBtoCよりBtoBビジネスのほうが長くなる傾向にあります。これは、BtoBのほうが購入の意思決定に関わるメンバーが多く、稟議や手続きなどでも時間がかかるためです。一方BtoCでは、購入を判断するのは本人1人である場合が多いので、社内審査などの手続きもありません。そのため意思決定や購入手続きもスピーディーで、リードタイムも短くなります。
なおBtoBでも、サービスや価格などによって、平均のリードタイムは異なります。日ごろから同業他社や、自社の過去数値と比較することが大切です。
リードタイムの重要性
リードタイムの管理・短縮は、営業を効率的に行う上で非常に重要です。リードタイムが長すぎると「ほかのお客さんに営業する機会の損失」につながってしまいます。
なぜなら、「リードタイムが長くなる=1社の顧客に対して多くの時間をかけている」ということになるからです。もちろん丁寧な顧客対応は大事なことですが、リードタイムが長引けば実施できたであろう営業活動も不可能になります。このように、リードタイムの長期化は営業機会のロスにつながるため、リードタイムの管理・短縮が重要なのです。
リードタイムを管理・短縮する4つのメリット
リードタイムを適切に管理・短縮することで、下記4つのメリットが得られますので、1つずつ確認していきましょう。
メリット1 顧客の購買意欲を保ちながら営業できる
リードタイムが長くなりすぎないように営業活動を行うことで、顧客の温度感を高く保ちながら営業活動を進めることができます。問い合わせや商談の直後は、顧客の購買意欲が高まっていることが多いです。しかしリードタイムが長引くにつれ、顧客の状況は変わり、熱も冷めて購買意欲は低下してしまいます。顧客の購買意欲が下がらないうちに受注まで進めるためには、まずは自社のリードタイムを管理して、短縮する取り組みが必要です。
メリット2 KPI達成までの道筋を明確にできる
リードタイムを管理することで、「KPI達成までにどの程度のリード獲得が必要か」が明確になります。例えば、受注までの平均日数が90日、決算が12月だった場合、10月〜12月にリードを獲得したとしても、その期のうちに受注となる見込みは低いと考えられます。
この場合、期中に受注へとつなげるためのリード獲得が実施できる期間は「1月から9月まで」です。リードタイムを管理しておくことで、目標から逆算して「いつまでにどの程度のリード獲得を目指せば良いか」を把握することができます。
メリット3 案件のイレギュラーな事態に気づける
リードタイムを管理することで、リード獲得後、案件のイレギュラーな事態を迅速に把握できます。例えば、自社の平均リードタイムからはるかに時間が経過している場合、「自社からのフォローが不足している」ことや「顧客に優先度を下げられている」など、何らかの理由を想定することも可能です。
またリードタイムを管理・短縮することで、イレギュラーな案件にも気づきやすいためスピーディに対処することができるでしょう。
メリット4 売上の向上につながる
リードタイムを短縮することで効率的に営業活動が行えるため、「他の案件対応」や「提案資料のブラッシュアップ」などの時間も確保できます。対応できる案件が増えればその分売上の増加が見込めることや、提案資料が磨かれれば商談の成功率向上にもつながるでしょう。
リードタイムを短縮することで営業成績が上がり、ひいては売上アップも可能となります。
リードタイムはツールで管理しよう
リードタイムを適切に管理するためには、以下のようなツールを活用することがおすすめです。それぞれのツールについて、活用方法とともにあわせて紹介していきます。
MA(マーケティングオートメーション)
MA(マーケティングオートメーション)とは、マーケティング活動を自動化できるツールのことを指します。主に以下のような作業を実施することが可能です。
- 顧客リストの管理、一元化
- 見込み顧客の創出、育成
- メールによる見込み顧客へのアプローチとその管理
- 顧客の温度感管理
MAを活用することでリードへのアプローチを効率化することができ、リソースの増加が期待できるため、リードタイムの短縮につながります。
また、顧客の温度感(購買意欲はどの程度なのか)を確認できるMAもあります。顧客の温度感によって対応すべきアプローチやその優先度は変わるため、顧客心理を把握しておくことが営業活動において非常に重要です。MAの活用は、営業活動が効率化できるためリードタイムの短縮に貢献するでしょう。
SFA(営業支援システム)・CRM(顧客関係管理システム)
SFA(営業支援システム)は、営業活動のデータを可視化・効率化できるシステムのことを指します。営業活動におけるToDo管理や営業日報の作成、売上予測(予実管理)、見積書・契約書の作成などをシステム上で一貫して実施できるものが多いです。
CRM(顧客関係管理システム)は、営業だけでなく他部署とも顧客情報を共有できるシステムです。営業メール配信機能のほか、集客や営業活動のためのウェブサイト制作やアンケート調査機能を搭載しているシステムもあります。
SFAやCRMを活用することで、顧客情報の管理を一元化することが可能です。リードタイムを可視化できるほか、案件の進捗が共有できるため、対応漏れやアプローチ不足など迅速に気づけます。また、1社1社の顧客に対して「どのようなアプローチを取るべきか」という戦略が立てやすくなる点もメリットです。
リードタイムを短縮する3つの方法
では、リードタイムはどのように短縮すれば良いのでしょうか。ここでは、リードタイムを短縮する下記3つの方法をお伝えしますので、1つずつ詳しく見ていきましょう。
方法1 獲得経緯ごとに分けてリードタイムを管理する
リードタイムは、獲得経緯ごとに分けて管理するのが効果的です。「問い合わせ」と「ホワイトペーパーのダウンロード」では自社への興味度合いが違うため、当然リードタイムは異なります。これらは一元管理せず、別々にウォッチをして綿密な状態でリードタイムを管理することが可能です。
例として、
- 「問い合わせ日」から「受注」まで
- 「資料ダウンロード日」から「受注」まで
- 「初回見積もり日」から「受注」まで
など、分けて管理することをおすすめします。
方法2 顧客1社1社に合った営業活動を行う
MAなどのツールを通して顧客情報を把握し、1社1社に合った営業活動を行うこともリードタイムの短縮につながります。個別にカスタマイズしたアプローチをすることで、受注の確率が高まるためです。ツールを活用して、顧客が求めている情報やリード獲得の経緯を把握した上で、状況に合わせた営業活動を行いましょう。
方法3 オンライン商談を導入する
オンライン商談を取り入れることで訪問の時間を短縮できるため、アポの件数を増やせます。リードタイムの短縮にもなり、オンラインは商談自体のハードルが低く感じる人も多いため、商談化の確率を上げることにもなるでしょう。
現在は在宅ワークも浸透し、オンライン商談も一般化しているため、気軽に提案してみてください。
リードタイムを管理・短縮して売上アップを目指そう
リードタイムを適切に管理・短縮することで、コストや工数の削減、ひいては売上拡大につながります。「効率の良い営業活動を実施したい」「予算や目標を達成するためにできることを探している」という際には、リードタイムの管理・短縮を目指してみてはいかがでしょうか。
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