グロースハック施策として再注目される「インフルエンサー・マーケティング」の全て

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グロースハック施策として再注目される「インフルエンサー・マーケティング」の全て

インフルエンサーと呼ばれる影響力の強い人物をマーケティングに活用する戦略を、インフルエンサー・マーケティング(Influencer marketing)と呼びます。

WEB2.0の時代、個人がブログ等のメディアを通じて活発に情報を発信し、その影響力を以て消費者行動に大きな影響を与え始めるようになった頃から頻繁に使われるようになったマーケティング用語です。

決して目新しいテクニックではありませんが、ソーシャルメディアの発展により再度注目が集まり、グロースハック施策の1つとしても存在感を高めています。

本日は、そんなインフルエンサーマーケティングの全てを1記事にまとめて紹介します。

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インフルエンサー・マーケティングとは

インフルエンサー・マーケティングとは、いわゆるインフルエンサーと呼ばれるネット上で強い影響力を誇る人物をマーケティングやPRに活用し、ブランドの認知度を向上する為のマーケティングテクニックです。

例えば一般的な購買プロセスは以下の4つに分割することが出来ます。

1.発見

消費者は、まだ自身の欲しい物を発見していません。検索エンジンやソーシャルメディアを通じて、欲しい物を探している状態です。

2.探求

興味関心に見合ったブランドを探求し、その中でも何が欲しいのか探っている状態です。

3.購買

消費者は、気に入った商品を購入します。

4.継続

継続的に購買するだけでなく、メルマガを定期的に開いたり、エンゲージメントを継続的に保っている状態です。

鋭い読者の皆様なら既にお分かりの通り、インフルエンサー・マーケティングは消費者の発見ステップに大きな影響を及ぼします。

AARRRで考えれば最初のA、アクイジション部分に効果を持っているのです。

たとえばフォロワー数が200万人を超えるソフトバンクの孫正義氏が、自身のツイッターで今最もオススメのスタートアップについてつぶやいたとしましょう。

ツイートするたびに何十何百とリツイートされる孫さんの影響(Influence)によって該当するスタートアップの視認性は急速に増し、人々がより発見しやすい環境が整うのです。

インフルエンサー・マーケティングの効果

続いて、インフルエンサー・マーケティングがもたらす具体的な効果を見ていきましょう。

1.SNS上の地位が向上する

インフルエンサーが会社やサービスに関する情報を発信することで、その情報を発見した一般ユーザーは該当するTwitterやFacebookアカウントを検索・フォローするようになります。

これに続いて有益な情報を発信し続ける努力を怠らなければ、一発のバズで終わることなく中長期的なリード及びカスタマーの確保に繋がります。

2.消費者生成コンテンツの増加

インフルエンサーが会社やサービスに関する情報を発信することで、その情報を発見した一般ユーザーが該当するサービスやコンテンツを体験する機会が増加します。

更に日頃から自身でも情報を発信する一般ユーザーは自身のブログやSNSアカウントから該当サービスやコンテンツに関して新たな情報を発信し、更なる視認性の向上に繋がります。

3.SEO効果

ソーシャル上の拡散に加えて新たなコンテンツも増加することで、ターゲットキーワードで検索エンジンにひっかかる確率が増加します。

4.需要の増加

オンライン上の各所における視認性の向上により、多くのケースでプロダクトに対する需要が増加します。

インフルエンサー効果の実例

では実際にインフルエンサーはどれだけの影響力を持っているのか、グロースハックジャパンの実例と共に見ていきましょう。

growth hack japanが2014年の1月24日に出稿した「大卒なんて意味が無い!?シリコンバレーを彩る「中退起業家」 7人」は、インフルエンサー効果で閲覧数が伸びた良い例です。

当時まだまだ知名度の低かったgrowth hack japanは、記事を出してもほとんど見てもらえないことも日常茶飯事でした。

中退起業家を紹介したこの記事も、出稿直後にほんの少しの反応はあったものの、それ以降は大きなバズが起きるわけでもなく、約2週間ほどほとんど誰も閲覧しない状況が続いていました。

しかし、以下の画像からも分かるように、2月4日を境に急激に閲覧数が向上します。

ベンチャーキャピタリストとして活躍する木下慶彦氏が同記事をツイートし、そのツイートを機に日本を代表するエンジェル投資家松山大河氏などが続々とツイートするに至ったのです。

そして極めつけは2月6日、ホリエモンこと堀江貴文氏が運営するhoriemon.comの1コーナー、ニュースキュレーションに取り上げられたこと。

 

これにより、PV数や記事のソーシャル拡散指数はもちろん、growth hack japanの公式Facebookページのいいね数も急速に伸びました。

 

(1日の増加数を表すグラフ。2/6に急激な増加を記録している。)

正直言って当時はインフルエンサーを気にせず好きなように記事を配信していましたが、これを機にgrowth hack japanの視認性向上施策の一環として、ベンチャーキャピタリストや有名起業家の皆様を多少意識するようになったことは否定出来ません。

実際にインフルエンサーを多少意識して執筆した「「決心こそが偉大な起業家を構成する最大の要素」拒絶され続けたAirbnb創業者が語る起業家論」は、松山大河氏のツイートをきっかけにメタップスの佐藤 航陽氏などを含む多くのインフルエンサーの方に共有頂きました。

起業家の皆様が自身のタイプをコメントでつぶやきながらシェアする様子を想定して執筆した「4種類の起業家タイプとそれぞれの弱点及び成功への鍵」も、インフルエンサーマーケティング成功の一例です。

上記から分かるように、有力インフルエンサーが発信する情報は、同系統の特徴を持つインフルエンサーに続々と拡散する傾向が高く、戦略的に行えば大きなバイラル効果を生み出すことが可能になるのです。

インフルエンサー・マーケティングの種類

インフルエンサー・マーケティングは、大きく①提携と②自然拡散の2種類に分けることが出来ます。

①提携とは、その名の通りインフルエンサーと提携関係を結び、定期的にコンテンツを発信してもらう手法です。

基本的にはコンテンツ提供側がインフルエンサーに報酬を与えるケースが一般的ですが、有益な情報を発信することで地位を確立しているブロガーなどにとっては有益なコンテンツそのものがメリットとして働く場合があり、必ずしも報酬の基に行われる施策ではありません。

やりかたによってはステルスマーケティングと見なされ大きなバッシングを喰らう可能性があることには注意する必要があるでしょう。

②自然拡散は、よりグロースハック寄りで、戦略に基づいた施策です。

以下に、自然拡散に必要なノウハウを紹介します。

インフルエンサーに自然拡散してもらうには

・コンテンツ/プロダクトの質にこだわる

考えてみてください。

感性の鋭さや手腕を認められてその地位を築いたインフルエンサーが、中途半端なプロダクトやコンテンツに目を向けるでしょうか?

もちろんそんなはずはありません。

人を紹介することと同様に、プロダクトやコンテンツを紹介することも自身の名誉を左右する大きなリスクを伴います。

どんなビジネスを展開しようと誰をターゲットにしようと、グロースハックの基本であるプロダクト体験へのこだわりを最優先に考えましょう。

・あらゆるツールを使ってインフルエンサーを探す

そもそもインフルエンサーが誰か分からない場合には、しっかりと事前リサーチを行いましょう。

検索エンジン、ソーシャルメディア、関連ニュースメディア、業界のオーソリティサイトなど、あらゆるツールを活用することが推奨されます

・フォロワー数だけで選ばない

フォロワー数だけでインフルエンサーを選ぶのは大きな間違いです。

発信する情報や意見の一貫性、自身のプロダクトやコンテンツとの整合性、発信の頻度などを必ず併せて考慮しましょう。

・一過性のバズを狙わない

インフルエンサーに言及してもらうために、意図的に議論を巻き起こす施策やメッセージを発信し、いわゆる炎上を狙う施策も一定の割合で見受けられます。

しかし、炎上マーケティングはインフルエンサー・マーケティングの本質である承認の要素を欠いており、言及されたとして一過性のバズに散るケースが国内外問わず一般的です。

言及されることに焦点をおくばかり、プロダクトのグロースという本質を見失わないように気をつけましょう。

・クリエイティビティを最大限働かせる

たとえプロダクトに魅力があっても、情報過多のこの時代にせっかくのプロダクトが埋れてしまう可能性も低くはありまでん。

サイトのデザイン、文言、コンテンツの発信チャネルなど、見せ方に十分な想像力を働かせましょう。

たとえば広告代理店のdofは、「採用情報は良いことしか伝えない」という現実を上手く利用して数多くのインフルエンサーにリーチしたクリエイティブな一例です。

・フォロー・友人関係を意識する

インフルエンサーも、一般ユーザー同様に友人やフォロー中のユーザーのSNSやブログから情報を仕入れています。

たとえその友人やフォロー中のユーザーが有名人では無かったとしても、もしこれらの人々に効果的にアピール出来れば、最終目的であるインフルエンサーの目に留まる確率はぐんと向上するのです。

・トップティアーは狙わない

インフルエンサー・マーケティングで最も犯しがちな間違いの1つが、誰に聞いても分かるような超超超有名人に自然拡散してもらおうと試みることです。

どの業界にも多大なる影響力を誇るインフルエンサーは存在しますが、その多くは多忙を極めると同時に、毎日山のような情報を処理しています。

こうしたインフルエンサーに運任せで自然拡散してもらえる0.01%に狙いを定めるよりも、影響力は及ばずとも定期的に関連性の高い最新情報を発信しているセカンドもしくはサードティアーに存在する、よりシェアに至る確率の高いインフルエンサーに狙いを定めることが最初の内は賢明です。

最後に

やや長くなりましたが、(特に自然拡散型)インフルエンサー・マーケティングはSNS時代の申し子とも言えるグロースハックに欠かせないマーケティング施策の1つです。

戦略的にインフルエンサー・マーケティングに力を入れることはもちろんですが、インフルエンサーに認めてもらえるプロダクト作りに注力することを必ず忘れないように心がけましょう。

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