【意味ない?】展示会に出展する「真の価値」と「接客ポイント」を紹介
BtoBマーケティングにおける展示会は、コストの大きさに対して効果がわかりづらいためか「意味がない」と考えている人もいるのではないでしょうか?
しかし、実はただのリードや商談を獲得するだけではない「意外な効果」があります。
この記事では「展示会を意味ないと感じる原因」や「展示会の真の価値」について解説します。展示会をより意義あるものにしたい方は、ぜひお読みください。
なお、ナイルではBtoBマーケティングでのお悩みを解決する「戦略の立て方や実践ステップの解説資料」をご用意しています。お気軽にどうぞ。→資料の無料ダウンロードはこちらから
目次
【そもそもの確認】展示会とは
展示会とは、業界の企業が会場に集まり、来場者に自社の商品やサービスをデモンストレーションするイベントのことです。
BtoBマーケティングでは、主に自社の商品やサービスの認知拡大や、新規顧客の獲得に利用されます。
展示会では、顧客と直接コミュニケーションが取れるほか、競合他社の動向も把握ができるため、業界やサービスに関する情報をまとめて得ることができます。
しかし一方で、大きなコストが必要で、目立った成果が出せないと「展示会へ出展しても意味がない」と感じやすいというのが実情です。
展示会を「意味ない」と感じる3つの理由
展示会を「意味ない?」と感じる理由には、主に次の3つが考えられます。
それぞれ、詳しく見ていきましょう。
理由1 商談・契約がすぐにできる場ではない?
まず1つ目が「即効性が低く、すぐに成果が出にくい」点です。
上述したように、展示会は主に「新規顧客の獲得」などを目的に実施される施策です。
来場者とダイレクトに話ができるので、その場ですぐに商談や契約につなげられそうなイメージを持たれるのではないでしょうか。
しかし意外なことに、展示会では、名刺交換や簡単な会話でやりとりが終わってしまうケースもままあります。
なぜなら、企業は商談や契約の前に「社内での意思決定」が必要で、その場で安易な約束ができないからです(※商材やサービス内容により差はあります)。
基本的には、即座に商談数を倍増させたり、売上させたりするタイプの施策ではないため、すぐに効果を求めると展示会の意味を見出しづらくなります。
理由2 顧客へアフターフォローの時間がない?
また、展示会の後にコストや作業が多く発生するのも「意味ない」と感じる一因です。
展示会で名刺交換した企業すべてからアポイントが来るわけではありません。そのため、展示会後には、こちらから声をかけてナーチャリング(=関係性の育成)をする必要があります。
しかし、こと展示会においては「名刺のデータ化」からはじめる必要があり、この負担の大きさが「意味」を問うきっかけになってしまうのです(ウェブ経由の場合、この手間は発生しません)。
実際にナイルの支援先企業様からも、「名刺を1,000枚集めたのはいいものの、それを名刺スキャナで1枚ずつ読み込んでデータ整理するのがあまりに大変だった」という声が聞かれます。
名刺を取り込んだ後も、個別のお礼メール送付など手間もかかるため、手が回らずに、結局展示会で入手した情報を活かせずじまいになってしまうリスクも懸念されます。
理由3 費用・時間・労力に対して効果が曖昧?
さらには、展示会の参加には、費用・時間・労力など大きなコストがかかるのも大きな要因です。
商材や規模にもよりますが、展示会では数百万円の出展費用を負担し、4〜5人程度のスタッフを専任にして、1ヵ月以上の時間を出展準備に費やすこともあります。
しかし、前述したように、これらの投資が即座に成果に現れるわけではありません。
その結果、すぐの成果確認が難しく、展示会を終えた後の振り返りでも「効果はこれから」のようなあいまいな着地になってしまいがちです。
こうした背景から「高額なコストをかけてまで展示会に参加すべきなのか?」「すぐに商談に結びつかないのなら、ウェブマーケティングだけで十分ではないか?」と疑問を持つことになってしまうのです。
展示会に出展する真の価値とは
では、本当に展示会は意味がないのでしょうか。
結論としては、「そんなことはまったくありません」。あくまで一例ですが、以下のように、展示会でなければ得られないメリットも多くあります。
それぞれ詳しく説明します。
価値1 「フラットな目線」の顧客と直接話せる
まず、展示会の価値として大きいのが「フラットな目線の顧客」と話せる点です。
ウェブマーケティングで獲得した問い合わせや商談では、相手はすでに自社について一定の知識を持っている場合がほとんどです。
そのため、たとえ革新的なサービスを提供していたとしても、顧客はすでにそれを「知っている」ので、喜びや期待のリアクションが得られず、手応えがつかみづらいところがあります。
しかし展示会では、サービスも資料も目にするのがはじめての「接点ゼロ」の顧客と対話が可能です。
フラットな目線での相応の反応を得られるため、商品やサービスの革新性や有益性を公平に判断できるようになります。
価値2 顧客の興味・関心がその場で確認できる
価値の2つ目は、商品・サービスに対する興味を、熱量とともに確認できることです。
もちろんZOOM相談会やウェビナーなどオンラインマーケティング施策でも顧客の関心や熱量を測ることは可能です。
しかし展示会なら、例えば「興味深そうで前のめりになっている」「関心が低く、会話を打ち切ってブースを離れようとしている」など具体的な雰囲気まで読み取れます(商談や面談のような完全な1対1の状況ではないので、なおのこと察知がしやすいです)。
上述した価値1と同じく、商品やサービスの有益性を確認できるほか、セールストークや販促物の品質を検証するのにも大いに役立ちます。
価値3 マーケティングコンセプトを見直せる
「フラットな目線の顧客」と話せて、しかも「顧客の興味・関心がよくわかる」という特性から、展示会はマーケティングのコンセプトを見直す絶好の機会になります。
直接、フラットな目線の顧客から得たリアルなフィードバックを踏まえることで、例えば以下のようなマーケティングコンセプト全体を見直す機会にすることも可能です。
【全体のマーケティングコンセプト】
- ターゲティングやポジショニングに問題がないかを検証する
- 商品やサービスのコンセプトを改良する
- パンフレットやPOP、ウェブ広告を見直す
- 商談や展示会のセールストークやプレゼン内容を打ち直す
- ランディングページ(LP)を修正する
意味のある展示会にする「接客準備」5つのステップ
ここからは、意味のある展示会にするための「接客準備」5つのステップを紹介します。
本来はブースやパンフレットの準備なども含まれますが、この場では「接客準備」にフォーカスして解説します。
ひとつずつ、見ていきましょう。
極意1 KGIとKPIを用いた明確なゴールを設定する
まずは、展示会のゴールを明確にしましょう。
ゴールが曖昧だと、何のために展示会に参加するのかを見失ってしまい「参加しても意味がない」と感じかねません。
ゴール設定をする際には、KGI(重要目標達成指標)とKPI(重要業績評価指標)の2つの指標で考えるのがおすすめです。
展示会では、一般的には以下のような項目がよく使われます。
【展示会の目標設定】
- KGIの例 … 新規契約の獲得数、新規商談の獲得数 など
- KPIの例 … ブースの訪問者数、名刺交換数、デモの実演数
KGIやKPIについて詳しく知りたい方は、こちらの記事も併せてご覧ください。→【具体例あり】KGI・KPIとは?設定する際に必要な考え方や進め方を紹介
ただ、こうした商談や契約の獲得だけではなく、「真の価値」で紹介した観点を活かした「フラットな目線の顧客との対話を通じてマーケティングの改善点を◯点見つける」といったKGI設定もおすすめです。
目先のセールスに閉じずに、中長期的な目線で展示会に参加する意味を評価できます。
※何をKGI・KPIとするかは企業の方針や商品などによって異なりますので、あくまで参考としてお考えください。
極意2 展示会情報やターゲットのニーズを把握する
せっかく多くの予算や労力を掛けるわけですから、失敗リスクを極力減らすように、事前の接客準備は抜かりなく進めておきましょう。
例えば、「展示会の情報収集」です。
過去の参加企業や来場者の傾向、各企業の出展内容についても調査しておくと、自社がどういったアプローチで接客できると良いのか判断がしやすくなります。
また、参加スタッフに「想定顧客(ターゲット)と、自社の商品・サービスを徹底理解してもらうこと」も欠かせません。
社内勉強会のほか、トークスクリプト(接客の台本)の用意を行い、ターゲットのニーズを自社のサービスにつなぎこめるよう、念入りにトレーニングやリハーサルをしておくとよいでしょう。
これにより、商談化率やマーケティング改善点の発見といったKGI・KPIを達成しやすくなります。
極意3 名刺保管ファイルを顧客のレベルで用意する
展示会がスタートしたら、接客を最優先で対応します。
まずは来場者に声掛けし、名刺交換をした上で、事前リハーサルのとおりに製品やサービスの特性を丁寧に説明しましょう。
来場者の質問にも丁寧に対応し、必要に応じてデモンストレーションを行いながら、課題解決に向けた提案を行ってください。
なお、接客に対する反応は人によってさまざまです。見込みがあるかどうかなど、反応の情報は、以下のような方法で仕分けておくのをおすすめします。
【見込み顧客の仕分け方法】
- 名刺保管用のファイルを「見込み高」「見込みあり」「見込みなし」というように分けて、獲得したらすぐに振り分けておく
- 付箋紙にやりとりの概要をメモし、名刺に貼りつけておく
こうすることで声がけの優先順位を明確にすることができ、アフターフォローが大幅にラクになります。
極意4 見込みが高い顧客へアフターフォローをする
展示会が済んだら、なるべく素早くアフターフォローを行いましょう。
商談や契約の獲得においては、展示会そのものよりも、このアフターフォローの方が重要度が高いです。
例えば、以下のようなフォローを行います。
【展示会後のアフターフォロー法】
- お礼メールの送付(これが一番多いです)
- お礼の電話
- 御礼状・ダイレクトメールの送付
お礼と併せて、サービス紹介資料やウェビナー・メールマガジンといったコンテンツ紹介をするのが一般的です。
ただし、前述したように、名刺のデータ化など大きな手間がかかります。
効率をよくするためにも、ステップ3で「見込みが高い」と判断した名刺から声をかけるなど優先度をつけて進めましょう。
「リードナーチャリング」の施策とも重なるので、こちらの記事もぜひご覧ください。→リードナーチャリングとは?メリット・デメリットと具体的な手法を解説
なお、もちろん、展示会内で商談や成約に結びついた方へのフォローも重要です。営業・CSなど関連部署とも連携して、サービス理解や活用を推進し、LTV(顧客生涯価値)を向上できるよう支援を行いましょう。
極意5 フィードバックから事業全体の見直しをする
最後に、展示会で得た「顧客の反応」や「フィードバック内容」をもとに、商品やサービスのコンセプト、販促物、セールストーク、LPなど、事業全体の改善点を見直しましょう。
このステップを実施することで、顧客が求めている情報や自社と顧客のニーズのミスマッチが減り、よりマーケティング全体の成果を高めやすくなります。
例えば、反応が良かったところはセールスポイントとして強調するようにしたり、逆に反応が悪いところはあまり目立たせないようにするなど、強弱の見直しをかけるイメージです。
あるいは、これまで自社が気づいていなかった新しい魅力が見つかった場合は、それを追記するのもよいでしょう。
繰り返しますが、展示会は、よりフラットな視点の顧客から意見を得られる貴重なチャンスです。
自社の弱点を認識したり、自社が見落としていたマーケティング展開の方向性を打ち出すためにも、来場者から集めたリアルなデータを積極的に活用しましょう。
本来はブースやパンフレットの準備なども含まれますが、この場では「接客準備」にフォーカスして解説しました。
展示会出展について、より詳しく知りたい方は、ぜひ無料相談をご活用ください。
それでも展示会を「意味ない」と感じたら
それでも展示会を「意味ない」と感じる場合には、ほかのマーケティング施策に目を向けましょう。
例えばオンラインで行うウェブマーケティングであれば、名刺のデータ化のような負担もない上に、費用も少額から取り入れることができます。
以下、展示会と関連付けつつ、定番のウェブマーケティング手法を3つ紹介します。
方法1 コンテンツマーケティング
コンテンツマーケティングとは、自社のオウンドメディアやSNSなどで顧客に役立つ情報を発信し、リードや既存顧客との信頼関係を築く施策です。
展示会で例えると、展示ブースやパンフレットが該当します。
有益なコンテンツを配信することで、自社の認知を広げるほか、リードの獲得やブランディング、顧客との接点維持などが可能です。
コンテンツマーケティングは、BtoBやBtoCに関わらず、多くの企業が取り入れています。
実際にナイルでも「ナイルのSEO相談室」や「YouTubeチャンネル ナイルTV / WEBマーケティング相談室」を運用し、マーケティング活動を行っています。
方法2 ウェビナー
2つ目の方法が、ウェビナーです。
ウェビナーとは、インターネットを利用したセミナー形式のオンラインイベントのことです。展示会でいえば、「デモンストレーション」に近い役割を持っています。
ウェビナーは展示会のように顧客とダイレクトに話ができることに加え、場所に縛られず自宅やオフィスから気軽に参加できる特徴があります。
そのため、オフラインの展示会に参加できなかった人へのアプローチや、展示会でつながった顧客へのナーチャリングなどに活用可能です。
詳しい方法については、こちらの記事で紹介します。ぜひご覧ください。 →ウェビナーで集客する7つの方法と成功させる6つのポイント
ちなみにナイルでも、SEO、アクセス解析、コンテンツ制作などをテーマにセミナーを開催しています。基本的に無料でご参加いただけます。
こちらのリンクよりぜひ詳細をご確認ください。→無料セミナー・ウェビナー
方法3 メールマーケティング
メールマーケティングとは、メールを用いていろいろなコンテンツを提供していくマーケティング手法のことで、主にはナーチャリング(育成)に利用されます。
全体配信でメールを流すのはもちろん、購読者ごとの心理状態や関係性の深さに合わせてメッセージの出し分けや配信時間帯を調整するなど、きめ細かなコミュニケーションを取れるのが特徴です。
展示会でいうと、アフターフォローの電話やDMに相当します。
詳しい概要や方法については、こちらの記事をご一読ください。→メールマーケティングとは?導入の流れや効果がアップする方法を解説
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展示会を意味のあるものにしよう
「フラットな目線の顧客」と対話ができるのは、展示会ならではのメリットです。
「展示会は意味がない」と感じている方は、ぜひこの記事を参考にやり方を見直して、意味のある展示会を目指しましょう。
なお、ナイルでは、BtoBマーケティング全般の支援を行っています。売上でお悩みの方はお気軽にご相談ください。
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