ターゲティング広告とは?6つの種類・活用ポイントを解説
ターゲティング広告とは、ユーザーの行動や閲覧したコンテンツの情報などに基づいて適切な内容を配信する広告のことです。
本記事では、ターゲティング広告の基礎知識から運用のポイントなどをまとめました。「ターゲティング広告を効果的に活用したい」とお考えの方はぜひ参考にしてください。
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目次
ターゲティング広告とは
前述のとおり、ターゲティング広告とは、ユーザーの行動や、閲覧したコンテンツの情報などに基づいて、その人に適切と思われる広告を配信する仕組みのことです。
Google広告・Yahoo!広告やSNS広告などさまざまな媒体にあり、主に「誰に表示するか」「どこに表示するか」という2パターンの仕組みがあります。
なお、基になる情報は、ブラウザやサービスアカウントへの登録情報・コンテンツの閲覧履歴などから分析される、各ユーザーの年齢・性別や収入などです。またコンテンツの情報は、ウェブページなどに掲載されているコンテンツ内容のジャンルを指します。
ターゲティング広告は6種類
ターゲティング広告には、大きく分けて6つの種類があります。さまざまな広告媒体で使用できますが、媒体によって名称や機能に違いがあることを覚えておきましょう。
ここではGoogle広告・Yahoo!広告に絞って、以下6種類の仕組みを解説します。
No. | 種類 | Google広告での名称 | Yahoo!広告での名称 |
---|---|---|---|
1 | オーディエンスターゲティング | オーディエンスターゲティング | オーディエンスカテゴリー ターゲティング |
2 | コンテンツターゲティング | コンテンツターゲティング | コンテンツキーワードターゲティング |
3 | リターゲティング | データ セグメント (旧リマーケティング) |
サイトリターゲティング |
4 | デバイスターゲティング | モバイルデバイスターゲティング | デバイスターゲティング |
5 | ジオ(位置情報)ターゲティング | 地域ターゲティング | 地域ターゲティング |
6 | 曜日・時間帯ターゲティング | スケジュール | 曜日・時間帯ターゲティング |
種類1 オーディエンスターゲティング
1つ目は、オーディエンス(=広告を見るユーザーの集まり)に的を絞って広告を配信するターゲティング広告の紹介です。
まず、ホームページを訪問したユーザー情報をブラウザに一時的に保存する仕組みである「Cookie(クッキー)」や、アプリやブラウザの識別情報といった閲覧データを利用し、ユーザーにそれぞれの属性を振り分けます。
そして、振り分けた属性を選択して適切な広告を配信する、という仕組みです。なお、オーディエンスターゲティングは、主に以下の5種類に分けられます。
ターゲティング名 | 詳細 | 具体例 |
---|---|---|
属性ターゲティング | 性別・年齢・住んでいると予想される地域などの情報をもとに広告を配信する |
|
行動ターゲティング | どのようなサイトを見たか、どのようなサイトで商品を購入したかなど、ユーザーのネット上での行動情報をもとに広告を配信する |
|
サイトターゲティング | 特定のサイトを訪問したことがあるユーザーに対して広告を配信する |
|
サーチキーワードターゲティング | 特定のキーワードで検索したことがあるユーザーに広告を配信する |
|
類似ユーザーターゲティング | 上記のターゲティングに当てはまるユーザーに類似するユーザーに対して広告を配信する |
|
上記のように仕組みはさまざまですが、どのような要素を使用して「類似している」と判断されるかは設定・媒体によって異なるため注意しておきましょう。
Google広告では類似オーディエンスが2023年5月にサポート終了となり、似たターゲティング機能として「最適化されたターゲティング」が用意されています。
種類2 コンテンツターゲティング
コンテンツターゲティングとは、特定のコンテンツを持つウェブページを指定して広告を配信する方法です。Google広告では、設定したキーワードに関連するコンテンツを持つウェブページに広告が配信されます。
もし、コンテンツターゲティングを利用して「ギフト 花束」というキーワードを設定した場合、フラワーショップのウェブページやギフトにおすすめの花束を紹介しているウェブページに広告が配信されるというイメージです。
種類3 サイトリターゲティング
自社サイトに一度でもアクセスしたことがあるユーザーに広告を配信できるのが、サイトリターゲティングです。
Yahoo!広告では、過去にサイトを訪問したことがあり、かつ検索サイトで商品やサービスを検索しているユーザーに対し、検索広告を表示する機能として提供されています。
一方、Google広告では、サイトリターゲティングはオーディエンスターゲティングに含まれます。さらに過去のサイト訪問者だけではなく、アプリユーザーにもアプローチできる「動的リマーケティング」という機能もあります。
種類4 デバイスターゲティング
デバイスターゲティングでは、スマートフォンやパソコン・タブレットといったデバイスを指定して広告を配信します。具体的には、スマートフォンを指定してスマートフォンアプリの広告を配信するといった使い方が可能です。
スマートフォンの中でもOS(Android/iOS)を指定してそれぞれのOS専用サービスの広告を配信することもできます。
種類5 ジオターゲティング
オーディエンスターゲティングの中でも、位置情報を利用したターゲティングをジオターゲティングと呼びます。以下のように、特定の場所にいるか、特定の場所に行く予定があると考えられるユーザーに向けて広告を配信する広告です。
- 現在横浜にいて「居酒屋」と検索したユーザーに、横浜の居酒屋の広告を配信する
- 「横浜 デート」と検索したユーザーに、横浜のデートスポットの広告を配信する
後者のユーザーは「横浜に行く予定がある」と判断されているため、広告が配信されます。
種類6 曜日・時間帯ターゲティング
設定により、指定した曜日・時間帯にインターネットを利用しているユーザーに限定して広告を配信できる仕組みもあります。
- 働く人向けに通勤の時間帯に絞って広告を配信する
- 休日に重点を置いて配信したり入札価格を調整したりする
上記のように、ターゲットの行動に合わせた広告の配信が可能です。
このように、ターゲティング広告には様々な用途に活用できる種類があるため「どのターゲティング広告を使用すれば良いのかわからない」という声も良く聞きます。ナイルでは、そんな方に向けて無料相談を実施しておりますので、お気軽にこちらからお試しください。
ターゲティング広告のメリット・デメリット
ターゲティング広告は配信するユーザーを絞れるため、効率よくコンバージョンを達成できる期待ができます。そのようなメリットや注意すべきデメリットを以下で解説しますので、ぜひ参考にしてください。
ターゲティング広告のメリット
ターゲティング広告の最大のメリットは、ユーザーを絞り込めるため配信効率が上がり、少ないコストで高い効果を得られる可能性が高まるという点です。
設定を工夫すれば、大衆に配信するのではなく、自社がターゲットとするユーザーにできるだけ絞って表示することが可能です。例えば、広告配信の目的が「問い合わせ数の増加」なら、悩みを抱えているユーザーが検索するキーワードやデバイスを設定します。
一方、目的が「購入数の増加」であれば、購入の確度が高いユーザーがデバイスにふれる可能性が高い時間帯や関連サイトに広告を表示するといった具合です。
このように、確度の高い見込み顧客と接触する回数を増やせるため、効率的にアプローチできます。
ターゲティング広告のデメリット
便利なターゲティング広告ですが、ターゲティング広告を利用して配信を行ったがゆえに、ユーザーに不快な思いをさせてしまう可能性があります。
その理由は、検索行動などに基づいた広告が配信されることで、ユーザーが「自分の行動が広告会社に伝わっている」と警戒するケースがあるからです。
さらに、ターゲティングに当てはまるユーザーが少ない場合、特定のユーザーに同じ広告が何度も表示されてしまうリスクもあります。
ただ、同一ユーザー(ブラウザ)に同じ広告を複数回配信しないための対策として、「フリークエンシーキャップ機能」を利用できる媒体があります。同じユーザーに何度も広告が配信されないよう設定できるため、上記のような状態はある程度防ぐことが可能です。
【注意】ターゲティング広告はユーザーで配信停止できる
効率的にアプローチできるターゲティング広告ですが、ユーザー自身で配信を停止できるため注意が必要です。では、それぞれの理由を解説します。
理由1 Cookieの無効化ができるから
実は、ホームページを訪問したユーザー情報をブラウザに一時的に保存する仕組み「Cookie(クッキー)」は無効化が可能です。ウェブ上での行動が保存されなくなるため、配信の対象外となります。
ただし、近年では多くのウェブサイトでCookieが使用されています。そのため、停止によって機能が制限されるなど、利用に問題が生じるケースが珍しくありません。つまり、Cookieを無効化するユーザーばかりではないと考えられます。
また、Cookieの無効化は基本的にブラウザごとに行う必要があるため、ユーザーが複数のブラウザを使用している場合は、すべて無効化されていない場合があります。
理由2 スマートフォン(OS)に配信停止の設定項目が備わっているから
スマートフォンのOS別に、ターゲティング広告の配信を拒否する設定を行うことが可能です。
Appleでは「パーソナライズされた広告」「トラッキング」をオフにすると、行動や位置情報に基づいた広告が配信されなくなります。一方、Androidでは「広告のカスタマイズをオプトアウト」をオフにすると、ターゲティング広告が配信されません。
また近年では、Apple社では端末を識別するID「IDFA」の使用を制限するなど、ターゲティング広告でユーザーを不快にさせないような動きが広がっています。
ターゲティング広告を運用する2つの方法
ここで、ターゲティング広告を配信・運用する2つの方法を紹介します。では、それぞれ見ていきましょう。
方法1 自社で運用する
1つ目は、自社で運用する方法です。ターゲティング広告の配信ができる多くの運用型広告は、自社でアカウントを作り配信を行うことが可能です。
自社で運用する場合、外注コストを抑え、自社に広告運用のノウハウが蓄積される点がメリットといえます。
一方で、広告配信の準備、設定や効率的な配信を行うには一定以上の知識が必要です。もし最低限の知識を持っていない場合は、期待した効果を得られない可能性があります。
方法2 代行会社へ依頼する
ウェブ広告運用の代行会社に運用を依頼することも、ひとつの方法です。専門家のノウハウを借りられるため、運用開始からスムーズかつ効率的な運用が行える点がメリットとして挙げられます。
しかし、代行会社に依頼する場合はコストが発生します。「配信金額の◯%を手数料として支払う」など、広告費とは別に手数料が発生することが一般的です。
仮に相場より高めの費用を支払っても、担当者のリソースに余裕がないと迅速な対応が難しいケースがある点もデメリットです。
なお、ナイルでは2,000社以上のウェブマーケティング支援実績をもとに、状況に合ったご提案をしています。「依頼したいけれど、どこに相談したら良いのかわからない」という方に向けて無料相談を実施していますので、以下からお気軽にお試しください。
ターゲティング広告で成果を上げる3つのポイント
ターゲティング広告を利用する場合は、ポイントを押さえることで高い効果が期待できます。以下で、押さえておくべき3つのポイントを解説します。
ポイント1 ターゲットのニーズを分析する
まずは、自社の顧客や顧客となりえるユーザーがどのような特徴を持っているのかを理解することが重要です。定量調査や定性調査を実施し、多角的に顧客を分析しましょう。
ターゲティングの設定をいくら工夫しても、そもそも自社のターゲットが求めていることを把握できていなければ、広告に興味を持ってもらえません。効果を最大化するためにも、まずは自社のユーザーの属性や興味関心などを詳細に分析しましょう。
ポイント2 目的に合わせてターゲティングを設定する
ターゲティングは、自社の目的に合わせて設定する必要があります。目的を無視してしまうと、本当に必要な施策から外れてしまい狙った成果を得られません。
例えば、目的が認知拡大の場合、関連ジャンルに表示され広範囲に配信できる「コンテンツターゲティング」がおすすめです。自社の目的に合ったターゲティング方法を使用すると、広告の効果向上が期待できます。
ポイント3 定期的に広告内容を変更する
ターゲティング広告は、定期的に広告内容を変更し、ユーザーを飽きさせないよう工夫することで、成果を上げられます。
広告内容を変更して、多方面からのアプローチを試したり広告のA/Bテストを行ったりといったことは、PDCAを回すことにもつながります。仮説検証した上で改善するという流れを、短期的に繰り返すことが大切です。
ターゲティング広告を活用しよう
ターゲティング広告は広告コストを抑えて効果を高めるために有効な手法です。ユーザーファーストとなっている近年のウェブ業界を意識して、広告を受け取るユーザーに寄り添った広告を配信しましょう。
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