ダークソーシャルとは?重視しておくべき理由と計測方法を解説
ダークソーシャルとはウェブサイトのアクセスにおいて、リファラー(参照元)が不明なもののうち、モバイルアプリやショートメッセージ、メールなどのリファラー情報を引き継がないツールを経由したアクセスのことを意味します。
ここでは、ダークソーシャルの意味やダークソーシャルとコンテンツマーケティングとの関連について解説します。
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目次
ダークソーシャルは「ダイレクト」に分類される
一般的なアクセス解析ツールでは、リファラーが不明なアクセスは「ダイレクト(Direct)」とされます。ダークソーシャルとは、本来は「ダイレクト」に分類されるアクセスではないのに、「ダイレクト」に分類されてしまう経路のことを意味します。
従来、この「ダイレクト」に分類される経路は、ブックマークやURLの直接入力だと考えられてきました。しかし、ウェブサイトの規模拡大・複雑化、モバイルの発展を受けて、ユーザーの流入経路が多様化し、現在はこの2つの経路以外にも「ダイレクト」として分類される経路が存在します。
ダークソーシャルは、モバイルでのURLシェアのうちの大部分を占めており、ユーザーの行動を解明する上で無視できない存在となっています。
ダークソーシャルが注目されている理由
ダークソーシャルが注目されている理由は、モバイルでのウェブサイトのシェアの大部分を占めているからです。エンタープライズ向け広告のプラットフォームを提供するRadiumOne社の調査レポートによれば、モバイルでのウェブサイトのシェアのうちダークソーシャルの割合は、2014年69%、2015年84%と増加の一途をたどっています。
このようにウェブサイトのシェアの多くがダークソーシャルを経由して行われていることを踏まえると、アクセス解析ツールによって「ダイレクト」に分類されたアクセスも、実際にはダークソーシャルを経由している可能性が高いと考えられます。そのため、「ダイレクト」のアクセスを単純にブックマークやURLの直接入力として判断してしまうことはユーザーの行動を誤って把握してしまうことにつながります。
また、FacebookやTwitterでの活動の効果を誤って評価してしまう要因にもなるのです。つまり、ダークソーシャルはアクセス解析によってユーザーの実際の行動を正確に把握することを妨げる要因となるため、やっかいな存在として懸念されているのです。
ダークソーシャルに当てはまる経路
ソーシャルメディアの分析・改善を行うSimply Measured社のBrewster Stanislaw氏はダークソーシャルと呼ばれる経路として以下の3つを挙げています。
ネイティブモバイルアプリ
スマートフォンなどで利用されるモバイルアプリにはFacebookのように直接アプリ内でウェブブラウザを開くものやInstagramのようにsafariやchromeを起動させるものが存在します。これらはブラウザが直接ウェブサイトに到達することになるため、アクセス解析を行った際はダイレクトとして分類されます。
Eメール
GmailやYahoo、Outlookなどほとんどの電子メールサービスはユーザーのプライバシー保護のため、リファラーの情報を引き継ぎません。例えばメールマガジンに設置したリンクから顧客がウェブサイトへアクセスした場合が当てはまります。
チャット
FacebookメッセンジャーやGoogle Hangouts、Slackのようなチャット形式のアプリもリファラーの情報を引き継ぎません。例えば、友達からFacebookメッセンジャーで送られてきたURLにアクセスした場合が当てはまります。
(実際は上記3つ以外にも通信方式やブラウザの設定によってリファラー情報を引き継がないアクセス経路が存在しますが、一般に「ダークソーシャル」と呼ばれる経路は「ダイレクト」に分類されるアクセスのうち、ソーシャルメディアやメールを経由したもののことを指すことが多いです。)
ダークソーシャルの数字を特定する対応策
ダークソーシャルへの対応策としては、UTMパラメーターを付与する施策が考えられます。ダークソーシャルのやっかいな部分はリファラーの情報が残らない点にありますが、サイトの記事ページなどに設置されるシェアボタンやメールマガジンのリンクURLにUTMパラメーターと呼ばれる識別子を付与することでリファラー情報を記録することが可能になります。
例:Facebook広告の場合
本来のURL https://www.xxx.com
UTMパラメーター付与URL https://www.xxx.com?utm_source=referral&utm_medium=social media&utm_campaign=newarticle
このようにUTMパラメーターを付与したURLを出稿することで、モバイルのFacebookアプリからの流入であってもアクセス解析時に他の経路と区別することができます。
コンテンツマーケティングとダークソーシャルの関係
コンテンツマーケティングを行う上でも、ダークソーシャルの存在は考慮すべきです。理由は2つ挙げられます。
個人間のやり取りは盛んに行われている
1つ目の理由は、SNSが発達した現在でも個人間での情報のやり取りは盛んに行われているからです。RadiumOne社の調査によればモバイルでの情報共有のうち72%は単にユーザーがURLをメールやショートカットメッセージにコピー&ペーストしたものだという結果が明らかになっています。
FacebookやTwitterなど効率よく情報を拡散できるツールが発達した中でも、個人間でURLをやりとりされることが多いという事実は、不特定多数の人に一気に情報が拡散してしまうメディアに対して、人々がプライバシーなどのリスクを感じていることの表れであるとも言えます。
顧客へアプローチを可能とする
2つ目の理由は、チャットやメールなどのツールは、コンバージョンに近い顧客へアプローチを可能とするからです。これらのツールでは個人が選別した情報がやりとりされるため、受け手のユーザーはコンバージョンにより近い顧客であると言えるでしょう。これらのツールは効率よく情報を拡散できる経路ではありませんが、正確にユーザーの興味やニーズに対応したものであれば、時間はかかっても確実にコンバージョンに近い顧客へ情報を広めてくれます。
以上の理由から、ダークソーシャルはコンテンツマーケティングにおいても意識すべきアクセスだと言えます。ダークソーシャルを有効活用し、よりコンバージョンに近い潜在顧客へアプローチするには「他の人にも知ってもらいたい」とユーザーに強く思わせる質の高い情報を提供することが不可欠なのです。
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